健康保険と厚生年金の関係
社会保険の仕組み・保険料・退職後の手続きをわかりやすく解説
会社員として働くと、給与明細に「健康保険料」と「厚生年金保険料」が並んで控除されています。 この2つは「社会保険」としてセットで加入する制度ですが、役割はまったく異なります。
ポイント:健康保険は「医療のための保険」、厚生年金は「老後・障害・死亡のための年金」。両方とも会社と折半で保険料を負担します。
| 健康保険 | 厚生年金保険 | |
|---|---|---|
| 目的 | 病気・ケガ・出産の医療費を保障 | 老後・障害・遺族への年金給付 |
| 運営者 | 協会けんぽ・健保組合など | 日本年金機構(国) |
| 加入対象 | 75歳未満の会社員・その家族 | 70歳未満の会社員 |
| 保険料率(目安) | 約10%(都道府県・組合により異なる) | 18.3%(固定) |
| 負担割合 | 会社・本人で折半(各約5%) | 会社・本人で折半(各9.15%) |
| 給付例 | 診療・傷病手当金・出産育児一時金 | 老齢年金・障害年金・遺族年金 |
会社員が就職・退職するとき、健康保険と厚生年金は必ずセットで資格取得・資格喪失します。 手続きは会社の総務・人事が行い、本人は基本的に手続き不要です。
✅ 就職時(資格取得)
- 入社日に健康保険・厚生年金に自動加入
- 会社が5日以内に届出
- 保険証が手元に届くまで約1〜2週間
⚠️ 退職時(資格喪失)
- 退職日の翌日に資格喪失
- 旧保険証は翌日以降使用不可
- 国保加入 or 任意継続が必要
産前産後休業・育児休業中は、申出により健康保険料と厚生年金保険料の両方が免除されます(会社負担分も含む)。
| 休業の種類 | 免除期間 | 年金への影響 |
|---|---|---|
| 産前産後休業(産休) | 産前42日〜産後56日 | 免除中も保険料を納めたとみなす(年金額に影響なし) |
| 育児休業(育休) | 子が3歳になるまで | 同上 |
健康保険の選択肢(3つ)
- 国民健康保険に加入……市区町村の窓口で手続き。退職日の翌日から14日以内。
- 任意継続被保険者……退職前の健保に最大2年継続加入。保険料は全額自己負担(会社負担分がなくなるため割高になることが多い)。退職後20日以内に申請。
- 家族の健康保険の被扶養者になる……年収130万円未満なら配偶者などの扶養に入れる。
厚生年金→国民年金への切り替え
退職後は厚生年金から国民年金(第1号被保険者)に切り替えが必要です。市区町村窓口で退職日の翌日から14日以内に手続きします。 配偶者の扶養に入る場合は第3号被保険者となり、国民年金保険料の納付は不要です。
Q. アルバイト・パートでも社会保険に加入しますか?
一定の要件(週20時間以上勤務、月額賃金8.8万円以上など)を満たすと、パート・アルバイトでも健康保険・厚生年金に加入します。2022年10月以降、加入対象が拡大されています。
Q. 健康保険料と厚生年金保険料はどれくらいかかりますか?
標準報酬月額を基準に計算します。例えば月収30万円の場合、健康保険料は約1.5万円(本人負担分)、厚生年金保険料は約2.7万円(本人負担分)が目安です(協会けんぽ・東京都の場合)。
Q. 転職時に健康保険証はどうなりますか?
退職日の翌日に資格喪失するため、旧会社の保険証は返却します。転職先で新しい保険証が発行されるまでの空白期間は、自費で医療費を払い後日精算するか、任意継続・国保で対応します。